ファストマーケットとは
一方向への注文が「殺到」し注文が遅れる、または通らない状態の市場を指す言葉である。
何らかの要因で注文が増え、大量のポジションがスクイズされ、急激に動いた価格へ更に大量の飛びつき注文が増える。主にこの3段階がごく短期間のうちに行われることにより発生する場合が多い。
古今東西、市場あるところにファストマーケットありと言ってもいいぐらい、半年に一度は強烈な一方向への注文の偏りに出会う。
インターネットバブルやリーマンショックなどの歴史的な変動まではいかなくても、5%や10%の変動はよく起こる現象なのである。
そのファストマーケットに対応するのもトレーダーの仕事である。
今回はイレギュラーな事態であるファストマーケットへの対応、つまり自分の予想を大幅に裏切るような価格変動への対処法を説明するわけだが、すぐ実現できて最も効果のある方法として「ポジションサイズを落とす」ことについて解説していこう。
最も単純で最も効果のあるポジションサイズダウン
稼いでやるぞと鼻息を荒くし闘志を燃やしているトレーダーにとっては屈辱に感じるかもしれないが、ファストマーケットへの対処法は「ポジションサイズを下げる」ことが最も効果的である。
シンプルに考えて欲しい。ファストマーケットが起きた時に何がマズイのかを。自分がポジションを持っている方向へファストマーケットが起きる分には利益が増えるので良い。問題なのはポジションとは逆方向へファストマーケットが起きることだ。
そしてもっと細かくすれば「許容損失額を超える」ことである。損切りのラインで損切りができず、自分が許容できる以上の損失を出すことなのだ。トレーダーでも投資家でも自身の資産に必要以上のダメージを負わせることは避けなければならない。
これを防ぐためにポジションをサイズを下げ、許容損失額に達する値動き幅を広げることが重要になってくるのである。これにより本来のポジションサイズでの損切りラインを超過しても、許容損失額内に損失を抑えることが可能になる。
銘柄のボラティリティ(価格変動)を読み込んでおく
一つ一つの銘柄には動きに癖がある。というのもその銘柄に参加している人間にはある一定の傾向があるからだ。これはトレードでも投資においても変わらない。どこを見てその銘柄を売買しているのか、この材料には簡単に目星がつく。
癖というのは値動きの仕方、つまりボラティリティが関わってくる。どういったタイミングでどれぐらい動くのか、材料によってボラティリティの大小が変わるのか、市場参加者の顔ブレは?等々からボラティリティの類似性が見えてくるだろう。
当たり前の話ではあるが、少なくとも過去2年間の値動きには目を通しておいて法則性を1つでも2つでも見つけ出しておく。直近1年間に関しては値動きだけでなく、その日のニュース(ファンダメンタルズ)も照らしわせておきたい。
ここまでやれば結構な度合で値動きを掴めてくるはずだ。無論、値動きを読み切ることも予測することも完全には不可能ではあるが、それでも損切りラインの策定等のトレーディング(投資)計画には大きく役立つ。
マーケットのセンチメンタルを感じる
ファストマーケットは下落の際に起きやすい性質を持っている。これはショートポジションが信用取引でしか実行にできない点など要因は色々あるが、総じてロングポジションの方が市場にとっては重要だからである。
マーケットがセンチメンタルになるとファストマーケットが起きやすい。大きな急落の際にはセンチメンタルな前兆が出る場合もあるので、センチメンタルな雰囲気にはレーダーを張っておこう。
毎回、センチメンタルになったからといって下落するわけではないが、出来高の急減や過度な上ヒゲ、マーケット関係者の煽り、プレーヤーの根拠なき強気、などなど急落する前に何かしら感じ取れるはずだ。
もし不吉な前兆を感じ取れた際、ポジションサイズが大きすぎると判断すれば一部のポジションを決済するなどサイズダウンを即断してもいいだろう。もし当てが外れて杞憂に終わったとしても、リスク回避としては間違ったわけではない。
以上の2点にタイミングとポジションサイズを合わせる
短期的な取引において、値動きの主な要因は市場参加者の心理的な動きである。これからどう市場参加者の心理が変わるのか、現在の心理はどうなっているのか、それによるボラティリティ、これらを取引のタイミングに組み入れる。
利益が出る可能性が高いタイミングを考えついたならばそれに合わせてポジションサイズを合わせる。ファストマーケットを組み込むのは容易ではないが、怪我をする可能性はグッと減らせる。
ポジションを取るタイミングというのは、トレードでも投資でも全てにおいて利益が出るかどうかの勝敗を左右する重要なポイントである。結局、市場に上手くやるにはタイミングを測ることが肝心になってくるのだ。
そもそも論になってしまうがファストマーケットを避けるためには、ファストマーケットに巻き込まれないタイミングでポジションを取るのが最善ではある。ただし、どうしても長い月日を市場で過ごせば避けて通れない。
いついかなる時もこの最も忘れてはいけないことを頭に入れつつ、マーケットを可能な限り調査し、慎重に練られたタイミングとサイズで身を投じて欲しいと思う。

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